【ウルブス通信】17:FOMCっていったい何?

ウルブス通信
17:FOMCっていったい何?

世界のトレーダーが注目している重要指標の中で、
トップ3に入るくらい重要のが「FOMC」。
為替トレードをする上で避けて通ることが出来ないこのFOMCですが
本当に重要なのでここでしっかりと覚えておいてください。

 

FOMCって何?

FOMCは「Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)」の略称で
アメリカの景況判断と金融政策の方向性を決める会議です。

つまりここで、米国政策金利の上げ下げ方針が決まるということになります。
(ちなみに国内では「日銀金融政策決定会合」というのがそれに当たります)

 

政策金利ってなに?

その国の銀行が(FRBや日銀など)中央銀行からお金を借りる時の基準金利のことです。

一般の銀行は、まず中央銀行からお金を借りて、
そのお金を一般企業などに事業資金として融資をすることで、
世間にお金を流通させています。

 

政策金利によって何が変わる?

政策金利の「利上げ」や「利下げ」によって何が起こるのかを解説します。

★政策金利が下がる→景気が良くなる理由

①金利負担が低くなり、企業は融資を受けやすく、事業を拡大できる。
→株価が上がる
②社会にお金が行き渡り、購買力が上がり、消費が増える
→物価(インフレ率)が上がる
③金利が下がるので、その国の通貨人気は下降する。
→通貨安になる
④輸出事業で有利になり、貿易黒字になる
→一般の金利が下がる
⑤金利が下がると投資対象としての債券の人気が上がる
→債券価格は高騰し、景気が良くなる。

★政策金利が上がる→景気が悪くなる理由

①金利負担が高くなり、企業は融資を受けにくく、事業を縮小する。
→株価が下がる
②社会にお金が流通せず、購買力が落ち、消費が少なくなる
→物価(インフレ率)が下がる
③金利が上がり、その国の通貨人気は高くなる。
→通貨高になる
④輸出事業で不利になり、貿易赤字に陥る
→一般の金利が上がる
⑤金利が上がると、投資対象としての債券の人気は無くなる
→債券価格は安くなり、景気は悪くなる

 

利上げは何のために行われる?

では、景気が悪くなることは解ってるのに、なぜ利上げは行われるのか。

それは、急激な株価の上昇や景気の加熱によって
バブル状態が発生しないように抑制するためが主です。

その性質上、景気を冷やす効果があるのでかなり慎重に行われることになります。

そのため、利上げは「金融引き締め策」とも言われます。
(逆に利下げは「金融緩和策」と言われます)

 

FOMCへの取り組みかた

相場が必ずしも毎回大きく動くというわけではありません。

アナリスト達は常に先の市場動向を予想しながら
実際に投資を行なったり、企業に対して経営方針のアドバイスをしています。
FOMCは、こんアナリスト達がその方向性を調整するタイミングになります。

ですから、ここまでの市場動向の予測とFOMCの決定に大きな開きがあった場合、
株式市場や為替レートが突然大きく方向転換することがあり得るわけですね。
結果的に世界中の金融マーケットに影響を及ぼします。

しかも、やはり世界経済の中心はアメリカなので
この米国FOMCでの動向が、世界各国の経済に影響を及ぼす訳です。

この決定次第で、ここまでのFEや意識線が一気に無意味になったりすることも。
逆に、安心材料ばかりであれば、FEなどの方向に一気に加速することもあります。
※当然、予想通りだった場合には、まったく動かないことも少なくありません。

とにもかくにも、トレンドの方向性(市場の目線)というのは、
FOMCからFOMCまでと考えてもいいかもしれません。

 

FOMCのスケジュール

毎月とか四半期とかではなく、およそ6週間ごとに年8回開催されます。
ちなみに2021年は以下のスケジュールは以下の通り

1月26日 〜 27日
3月16日 〜 17日
4月27日 〜 28日
6月15日 〜 16日
7月27日 〜 28日
9月21日 〜 22日
11月2日 〜 3日
12月14日 〜 15日

 

ブラックアウトとは

完全にFOMCの日だけを注意すればいいという訳ではありません。
それに向けた熾烈な仕掛け合いも、数日前から始まってきます。

特に、「ブラックアウト」と呼ばれる情報統制機関が非常に重要です。
これは、中央銀行政策決定会合のメンバーが、その前後の時期に
「金融政策」や「金融経済情勢」について外部に発言することを一切禁じる
統一ルールのことです。

各国によってルールは様々ですが、短いところで前の2営業日。
しかしアメリカは、「FOMC開催の前々週の土曜日からFOMC終了まで」
という決まりがあります。

このおよそ2週間弱が、情報が制御され
各国アナリストや機関投資家が右往左往しながら市場を探る
非常に読みにくい期間になります。

ここでは、過去のロジックが一気に効かなくなることもままありますので
あまり深追いはしてほしくないですが、ボラは大きくなる可能性もあるので
果敢に参加して欲しいという気もあります。


とにかく、FOMCも「お祭り」のひとつです。
ここに参加しないでやり過ごすという選択肢はないと思ってください。

あくまで「亜流」であり「お祭り」という意識を忘れずに
相場と向き合ってください。