【ウルブス通信】31:USDJPY上昇(円安ドル高)の理由を知る

ウルブス通信

現在、USDJPYが123円を突破してきて歯止めの効かない円高ではあります。

過去データを見てみると、123円を突破したのは2015年12月以来。その前を見ると2007年。約7〜8年に1回だけ訪れる最高価格。。。と考えるとそろそろ止まりそうな感じもするが、実際はまだ止まる気配がない。それはなぜか?

まず重要な要素は2月10日に公示して、本日実施された「日銀による指値オペ」

指値オペって何かというと、ようは上がり続ける金利を制御するために日銀が各金融機関に向け
「あんたらが持ってる国債を、決まった金利を確約した状態で買い戻しまっせ!しかも今回は上限もないでっせ。無制限にナンボでも買いますよ!」
という公開市場操作のことです。

「ウチらお金が無くなっちゃったんで、こんなん作りました。だから買ってちょーだい!」
って借金大国になるために国債(特に10年国債)を発行しまくったのに、今度は
「どんどん金利が上がってヤバめなんで、買いとるから返して!」
って言い出したイメージ(ざっくりw)。

国債を買い取ることで市場にお金が流れ込み経済が動く効果もある。過去に7回実施されていて(1回を除いて)そのほぼ全てが、直後に長期金利が下落している。だから、金利上昇抑制に効果があるのは明白。

だが、そんな良さげな政策なのにも関わらずなぜUSDJPYが爆上がりを続けるのか?それは「日米金利差の拡大」が問題になってるからですわ。。。

 

ここで思い出してください。前に話しましたよね「テーパリング」。ウルブス通信でも説明しましたがこの内容を覚えてる人はどれだけいるでしょうか?忘れちゃった人は過去の通信を見てね。

その時の内容で書きましたよね?
「テーパリングが終了すると金利は上昇する」と。

2021年11月の米国FOMCでテーパリング実施を示唆
2021年12月にテーパリング開始を公言
2022年1月からテーパリング開始
その後、2022年6月に終了する予定だったものを2022年3月末に前倒し。
さらに今月のFOMCにて低金利政策の終了を宣言し金利の引き上げを発表。
さらにさらに0.25%としていた金利の誘導目標を0.25〜0.5%にするぜ!と引き上げを決定。
さらにさらにさらに今年は3回ほどの継続的な引き上げをほぼ決めて
「2年間続いてた低金利時代が終わりになるぜ!みんな、よく我慢したな!」
と発表した2022年3月。

そんな時、日本は
「予想してた金利が0.25%に達しちゃいそうなんで、指値オペを導入して、これ以上は金利が上がらないようにしたいん!」
って言い回ってる訳ですよ。そりゃ色々な理由はあるんですが、はぁ?となりますよね(汗)

当然、現段階で指値オペに手を上げた金融機関はゼロ。。。

 

「これから金利をじゃんじゃんアップさせるで!」というアメリカと
「金利上がりすぎちゃったからもうストップさせるもん!」という日本。

投資家心理としてはどうなると思いますか?

「日本てさこれ以上は金利が上がらないし、アメリカは上がるんだから、当然アメリカと日本の金利差は開く一歩だべ? んだったら安い日本円なんか持っててもしょうがないから売っちまって、今後も金利の上がる米ドル買った方が儲かるよね」となりますわな。

それが今のUSDJPY爆騰の要因。

 

世界を見回しても、アメリがは0.25〜0.5%への利上げ。イギリスのイングランド銀行が2021年12月に続き2022年2月にも政策金利を引き上げ。ずっと利上げに反対だったヨーロッパ中央銀行の総裁も年内の利上げ排除はしないと公言。
世界が利上げの方向に動いてる中、日本だけが長期金利をストップさせようとしてる訳。

ここまで来ては金利格差を急激に縮めるのは不可能。
円安ドル高は加速する。
一方で原油が高騰する時に円安になるんだから輸入価格は軒並み上昇。
輸入事業者だけじゃなくて一般家庭も、暫くは負担が大きくなることが予想される。

先を見て、稼ぐスキルを身につけてないと本当に生き残ってすらいけない時代がすぐそこまで来てますね。。。怖っ(汗)

 

では最初に戻って、今後のUSDJPY予想。

現在は123円を突破してきてる。
2007年、2015年とここ20年で2回しか達していない領域。
その上の天井を考えると、125.5円程度までで上昇の頭ではないかな?と。

ではどうするよ?
ウルブス勝者の格言。
「現在価格とは、どこかの時間足の物語の一部である」

いまは、USDJPYの何時間足のTwin-Bに反応してるのかな?
さーみんなで考えよう!♪