【ウルブス通信】32:負け=間違いではないということ

ウルブス通信

よくSLに引っかかってしまい損を出してしまった時に「仕掛けを間違った」と考えてしまう人がいますがこれは大きな勘違いですからね。この勘違いは、とんでもない大災害を巻き起こします。

1回SLを引くと「自分の仕掛けが間違っていた」と凹んでしまい、すぐにロジックを変更してしまうことが多い。でも、SLになってしまう=仕掛けが間違ってたと断定できるわけもなく、そこには様々な要因が絡んでくるわけです。たった一つの考え違いでロジックやルールをいじくりまわす事で、何が正解で何が間違いだか解らなくなり、結果的に「そもそもロジックってどんなだっけ?」と本末転倒な考え方に陥る。

覚えておいて欲しいのは《絶対に勝率100%は存在しない》ということ。それを聞いて「わかってるよ!」と思った方、本当にきちんと理解していますかね?

たとえば!勝率60%の人がいるとして、この人の勝ち負けを考えた時に《10回中6回は勝って4回は負ける》と誰もが理解していると思います。しかし、これってそうでもなかったりする。
勝ちを「○」負けを「●」で表すとしよう。

勝率60%は
1:○●○●○●○●○○ これもそう。
2:○○○○○○●●●● これもそう。

勝率60%というのは、
最大でも4連敗しかしないって考えがちなんですな。
でもね
3:○○○○○○○○○○○○●●●●●●●● これも勝率60%
4:●●●●●●●●○○○○○○○○○○○○ これも勝率60%

最大4連敗どころか、何連敗だってありえるわけで。3の方は12連勝からの8連敗だから、きっと利益が残ったでしょうね。しかし4の方はスタート直後に8連敗を喰らってるので、下手したらその時点で口座は破産してるかもしれませんね。

何が言いたいかというと、勝率であってもロジックのルールであっても、それは大きな流れの中で発生する事象でしかないといいうこと。サイコロを振ったら1が3連チャンで出る事だってあるでしょう。でも100回振って100回とも1が出ることは、ほぼ確率的には0%。

数字というのは、数を重ねれば重ねるほど真実に近づいていきます。つまり、トレードだって回数を重ねれば重ねるほど本当の実力や、本当に勝率に近づいていくというわけ。

つまりね

何回かSLにひっかかっても、それを「仕掛け間違い」とか思わないで欲しいんです。大きな流れの中においての確率ですから、

間違ってなくても負ける時がある
間違ってても勝つ時がある

という事を覚えておいてください。でもそれじゃ毎回毎回メンタルがボロボロにされそうですよね?そしてロジックの検証にもならないし、いつまでたっても自分のスキルが上がっていかないように感じるかもしれません。でもね、それは違うんですよ。メンタルを正しく維持していく唯一の方法が

ロジックを徹底的に守る

という事に繋がります。毎回毎回、同じロジックを同じルールで同じように仕掛けをセットすることによって「間違ってないのに負けた」というトレードにいち早く気づけるはずです。常にブレない自分のトレードメモを信じて仕掛けを続ける事で《仕方ない負け》というものを受け入れることができる。

だから、数回SLを引いただけで、それ以降ロットを下げたりなにか大きくルールを変えたり、インディケータを増やしたりしなくても大丈夫です。

それよりも、やらなくちゃいけないのは「ルールを間違えずに覚える」「自分のトレードメモをブラッシュアップする」「負けた相場の検証」これだけです。特に自分のトレードメモのブラッシュアップは非常に大事です。SLで負けたときは、凹んでルールを変えたりインディケータを追加したりするよりも、とにかく

①「サインはルール通りに引けているか」を確認
※不安ならSTGなどで質問

②間違っていなかったら、何か見落として無いかを探す
※必ずどこかに理由が隠れていますので!

③見落としを見つけたらトレードメモを修正する。
※人間は忘れる生き物。自分を過信しないように!

これが本当に大事です^^

そして、どんな優秀なトレーダーでも、どれだけ事細かに相場を観察しても「なぜか負け続ける」という事が年に2〜3回は必ずやってきます。これは確率論でもありますし、昔お話した《相場の調整》という現象ですね。上がりすぎや下がりすぎになってきた相場を適正価格に戻そうとする力(これは各国の中央銀行が介入するパターンもあれば、相場自体が適正価格に戻ろうとする力を持つという都市伝説的な話もあります)も働くので仕方ない事です。

ようは「負けに右往左往しないこと」が大事。そして「数を重ねれば重ねるるほど勝率は適正数値に近づく」ということを、頭の片隅にでも置いておくと、メンタルを維持できるんじゃないでしょうか。